調布駅前広場整備に関する説明会

大須賀 浩裕(おおすが ひろすけ)

2018年01月16日 21:00

19時 調布駅前広場整備に関する説明会が文化会館たづくり・くすのきホールで開催され約250名が参加しました。

地下駐輪場や駅前広場の樹木などの整備計画について説明した後、質疑応答がなされました。




市の説明が分かりにくいので勘違いをしている市民が少なくないようですが、来年のラグビーワールドカップ開催時期までに整備をするのは、駅前広場北側のロータリー(車道部)形状・上屋(バス乗り場と歩行空間の屋根)の一部南側の地下駐輪場だけです。

それ以外の北側の駅前広場(車道部・歩道部)、南側の駅前広場などは、オリンピック・パラリンピック終了後の平成35年度までに整備する予定です。






現在、市は調布駅周辺の駐輪場で困っていません。
駐輪場の土地を借りている地主さんから返却を求められている状況になく、平成29年4月にオープンした市役所西側の調布西第1路上自転車駐車場(駐輪場)はがら空き状態です。


なぜ地下駐輪場の整備だけを急ぐ必要があるのでしょうか。
南側の駅前広場整備と合わせて、オリンピック・パラリンピック後、平成35年度までに整備をしても何の不都合もないのです。




調布市が開催地となるラグビーワールドカップとオリンピック・パラリンピックは、「お出迎え」「おもてなし」が大切なテーマとなっています。

現在、地下駐輪場の整備範囲(下図:黒枠内)には63本もの樹木が植えられています。

市は「既存樹木(62本)の移植・伐採工事を平成30年2月より順次行う」としているので、「お出迎え」する地下駐輪場整備範囲内の樹木は1本(下図43番)しかありません。




地下駐輪場整備範囲内の樹木



今まで、調布市は調布駅前広場の樹木を大切にしてきました。
先人たちが造りあげてきた「調布駅前の杜」でお出迎えするのと「丸々坊主の禿山」状態でお出迎えするのとどちらが良いでしょうか?





前回の調布駅前広場整備に関する説明会は、平成29年7月28日に開催されました(2017.7.28ブログ)。
一方、「(仮称)調布駅前広場整備に係る市民会議」が平成29年4月17日・26日、5月25日の3回にわたって開催されました(2017.4.26ブログ)。

たび重なる出席要請があったにもかかわらず、長友市長は副市長や部長に任せて自ら出席することはありませんでした。

今回が始めて市民の前で説明する機会となったのです。



市長は説明会の最期に敢えて発言を求めて、「今日頂いた意見も踏まえたうえで、最後は行政として判断をする。どの道を選択しても、全ての方に100%納得いただくわけにはいかない。行政の責任として、最高責任者は私なので、どの道を選択しても私が責任を持ってやったことと理解していただいて結構。」と言い放ちました。

市民の前で市長自ら説明する機会がたった1回だけで良いのでしょうか。

説明会での発言時間が一人3分程度に制限されたため、充分発言できなかった参加者がたくさんいました。
手を挙げていたのに時間がなく発言できなかった市民も5〜6名いました。

市民の中には、樹木のこと、グリーンホールの外階段が撤去されるために大ホール機能が無くなる(収容人数が1,300人から640人規模になる)こと、公衆トイレを作る計画が暗礁に乗り上げていることなどを知らない市民が少なくありません。

地下駐輪場の整備と樹木の移植・伐採工事は、南側の整備の端緒となるものです。
もっと市民と話合いを重ねてから実施するべきだと思います。




また、市長は最期の発言で、「調布市商工会から11月の時点で市の戦略に沿って速やかに駅前広場の計画を進めろという意見もいただいている。3,207社の代表の機関決定を全会一致でいただいている。」とも発言しました。

市長として、政策を表明をすることはありますが、結論に至った理由に一民間団体の意見表明をあげる事例は過去にありません。
商工会に賛同してもらったから事業を進めると言わんばかりです。

会場にいた商工会の関係者に確認すると、「商工会の機関決定」は「総会」ではなく「理事会」で行われたそうです。
総会での機関決定ではないので、「3,207社が賛成している」という表現は、誤解される極めて不適切な表現ではないでしょうか。
商工会の関係者も「なんであんなこと言うんだろう」と不快感を露わにしていました。


私は調布駅前広場は計画の進め方と使い勝手によっては日本一の駅前広場になれる可能性があると本気で確信しています。
だからこそ、現在の市の計画のあり方と進め方に疑問を持っているのです。



(毎日新聞1月18日)



調布駅前広場整備に関する説明会開催結果 平成29年度第2回(調布市ホームページ)

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