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2017年04月04日

東日本大震災復興応援イベント「いま、私にできること~石巻日日新聞の方と未来を語ろう~」

19時 東日本大震災復興応援イベント「いま、私にできること~石巻日日新聞の方と未来を語ろう~」が、国領の市民プラザあくろす市民活動支援センターで開催されました。

調布から!復興支援プロジェクト代表の横山泰治さんと石巻日日新聞・常務取締役(震災当時は報道部長)・武内宏之さんのトークセッション形式で行われました。



石巻日日(ひび)新聞は、石巻市・東松島市・女川町をエリアとしている地域新聞。
東日本大震災の津波により社屋が浸水し、輪転機が水没してしまいました。
そこで、濡水しなかった新聞ロール紙を切った紙に、マジックペンで書き込んだ壁新聞型の号外を、3月12日から17日までの6日間、市内の避難所6カ所に貼り出し、ライフラインの復旧状況や避難所での生活関連情報を伝えました。(参照:調布経済新聞




武内さんは「震災時、記者自身も家族の安否も分からない中、最前線で取材を続けたこと」「壁新聞1枚でもいいから地域紙として正確な情報を伝えるために発刊したかったこと」「壁新聞を見た被災者が日日新聞が頑張っている姿を見て励まされたと語ったこと」「被災者の心の傷の形や深さは一人ひとり違うこと」「6年が経ち、震災のことを語り始める人が増えてきていること」「学校での防災教育も大切だが、家族で災害について考えることはもっと大切なこと」などについて熱心に語ってくださいました。



武内さんが最後に語ったのは・・・
「震災を忘れてはいけない。これは、被災地のことだけではありません。
約1,150年前の869年に貞観(じょうがん)地震が起きましたが、熊本地方や山陰地方で地震が発生した後、関東地方や南海地方でも大地震が起きたと言われています。
首都圏直下型地震や南海トラフの発生確率はいずれも30年以内に70%とされています。
こうした未来の被災地「未災地(みさいち)に、東日本大震災を教訓にしてもらいたいのです。
なぜならば、もう私たちのようにあの悲惨なめに遭ってほしくないから。
少しでも犠牲者をなくし、被害を少なくするためにはどうすればいいか、被災地の私たちにとっては辛い体験ですが、この経験を教訓にしてもらおうと思っています。」



6枚の壁新聞 石巻日日新聞・東日本大震災後7日間の記録」を読むと、壁新聞発行の経緯や当時の記者たちの葛藤がよく分かります。



壁新聞はドキュメンタリーやドラマに取り上げられました。
情熱大陸 「石巻日日新聞 」(毎日放送 2011年9月11日放送)
「情熱 石巻日日新聞」 - Dailymotion動画
情熱大陸「石巻日日新聞×葉加瀬太郎」 (毎日放送 2012年3月11日放送)
ドキュメンタリードラマ「3.11 その日、石巻で何が起きたのか〜6枚の壁新聞」(日本テレビ 2012年3月6日放送)
課外授業 ようこそ先輩「記事にしよう 未来のふるさと~石巻日日新聞 武内宏之」(NHK 2012年7月16日放送)
東北発未来塾「武内デスクの新聞教室 紙とマジック」(NHK 2015年3月2日放送)


武内さんは、現在、震災を風化させないために石巻日日新聞が開設したニュース博物館 「石巻ニューゼ」の館長さんです。
昨年の8月にお会いしました(2016.8.12ブログ

今回改めて武内さんの話をお聞きして、「いま、私にできること」を考える機会となりました。

このような貴重な話を聞いていたのは20数名とはもったいない。



トークセッション終了後に気になっていたことをお聞きしました。
震災前、石巻日日新聞の発行部数は約14,000でした。

震災後は購読者が大きく減ったものと予測されます。
記者6名を始め28名いた(「6枚の壁新聞 石巻日日新聞・東日本大震災後7日間の記録」による)社員がどうなってしまったのでしょうか。

武内さんの返事は・・・
「購読者は減ったものの、平成26年に月刊地域みっちゃく生活情報誌『んだっちゃ!』を創刊して社員は32名に増えた」。
一安心しましたface02


なお、会場で展示した壁新聞原寸大パネルは、2014年に「調布から!復興支援プロジェクト」が避難所に貼られていた壁新聞の写真からパネルを作成し、展示後石巻に返還したもので、その後も今回のように全国各地の講演などで使用されています。


石巻日日新聞は宮城県の沿岸部にある石巻市・東松島市・女川町の2市1町(人口約22万人)を地盤として大正元年10月に創刊、来年で100周年を迎える地域新聞です。
地域に密着し、地域に貢献することを社訓とする日刊夕刊紙です。

2012年2月、「調布から!復興支援プロジェクト」が石巻市で「全国絆タウン46・第2弾・『東京都多摩地域(調布市)の日』」を実施した時、秋山裕宏記者が取材に来て、記事を書いてくれました(2012.2.25ブログ2/26ブログ)。




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詳しくはblue_rightNewsMediaStand


また、「いま、私にできること~石巻日日新聞の方と未来を語ろう~」の模様は、ケーブルテレビJ:COMチャンネル東京 (Ch.11) で、4月7日(金)17時から「デイリーニュース 世田谷・調布・狛江」番組内で放送します。

  

  • Posted by 大須賀 浩裕(おおすが ひろすけ) at 23:01Comments(1)今日の出来事東日本大震災・味スタ避難所