2017年06月04日
市議会第1回定例会 一般質問「都市計画のあり方について」
6月7日(水)の調布市議会第2回定例会で一般質問を行います。
テーマは・・・
調布駅前広場について
(1) 樹木について
(2) 地下駐輪場について
(3) 整備計画について
調布駅前広場については、第1回定例会でも3月7日に質問をしました。
テーマは
1.都市計画のあり方について
(1)調布駅周辺の計画について
(2)景観について
2.行政と議会・市民との信頼関係について
(1)行政内部情報の流出事件について
質問と答弁の簡単な内容が、5月5日発行の市議会だより第229号に載っています。
質問して以降、「細かい質問の内容が知りたい」と数人の方に言われました。
5月24日からインターネットで第1回定例会の会議録が公開されています。
質問は「一括質問方式」で行いましたが、読みやすいように「一問一答方式」に編集して転載します。
(市議会会議録平成29年第1回定例会 大須賀一般質問より)
<質問>
◆大須賀浩裕
今回の質問は、大きくは都市計画のあり方についてと行政と議会、市民との信頼関係について、この2点についてお伺いします。都市計画のあり方についての初めに、調布駅周辺の計画について何点かお尋ねします。
まず、駅前広場の樹木についてお伺いします。
樹木の伐採に関しては、市は、市民に十分に説明し、理解されていると議会に報告し、私たちは、その報告を信じてきました。ところが、伐採に反対する市民団体、調布駅南口広場樹木を守る会――以下、守る会と言います――の署名活動に1万5,000名を超える市民が署名をしました。このことは、市の計画に1万5,000名を超える市民が反対を表明していることを意味します。中心メンバーに近隣の自治会長さんもいるとお聞きしています。
ことし1月30日に市長と市議会に提出された守る会の要望書には、署名に応えたほとんどの方が樹木の伐採を知らなかったと驚いた。駅前広場の計画は市民に周知されたものと言えないとあります。
樹木について、市の計画は二転三転してきました。中心市街地デザイン・コンセプトで調布駅前広場を庭園の中の駅前広場と位置づけながら、平成28年度当初案では、原則伐採。昨年11月の市議会全員協議会では、11本保全、22本移植、68本伐採。ところが、市長は、2月21日の記者会見で33本残す考えを改め、51本を残すことにしたと発表なさいました。
この案は、2月24日に説明のみで、質疑はなしという異例な形で開催された全議員説明会で示されました。守る会には合意されていない、議会には3日後に説明する、このような状況で市の最終案が記者会見で発表されたことに違和感を感じます。守る会との意見交換はもちろん大切ですが、議会との意見交換、協議は大切ではないのでしょうか。
また、市が1月10日に守る会の案を受けてから、全議員説明会で最終案を示すまで1カ月半もありました。議会への説明を第1回定例会の議案送付の2月20日より前に開催すれば、事前審査に当たらず質疑や協議ができたはずです。4日間早めることが難しかったとは思えません。積極的に議会と協議をしようとする姿勢が長友市長におありなのでしょうか。
さて、樹木の伐採は市長名で行われます。今回、市長御自身も伐採される樹木はもちろんのこと、全ての木と向かい合われたことだと推察いたします。私は、昨年の11月に調布駅前広場の全ての樹木の写真を撮りました。ちょっとセットさせていただきます。
スクリーンをごらんください。
撮影しながら、これほど多くの樹木があったことを改めて認識しました。樹木の中には、第一小学校時代の木もあり、先人たちが時代をかけて築いてきた、まさに調布駅前広場の森と呼ぶにふさわしいものでした。この森は、先人たちが私たちに残してくれたレガシーと言えるのではないでしょうか。歴史と思い出のある木を一本でも残すことは、とても大切なことだと痛感しました。
質問に戻ります。2019ラグビーワールドカップ、2020オリンピック・パラリンピックで世界中から多くの人が調布を訪れることでしょう。駅前広場のたくさんの緑を生かしながら、新たに多くの花を市民との協働で植え、国内外、世界中の人を緑と花で歓迎することは大変意味のあることだと思います。
市長は、基本的施策で、東京都を初め、多様な主体とも連携し、多摩地域全体の振興にも寄与するさまざまな有形、無形のレガシーの創出に向け取り組んでいくと述べておられます。調布の先人たちが築いてきた足元のレガシーを次の世代につなげていくことを新たなレガシーとすることも重要なことではないでしょうか。
何点かお尋ねします。今までと、そして、これからの緑あふれる駅前広場の魅力について、市長はどのようにお考えでしょうか。伐採か保存か、市の計画が二転三転してきた理由はどこにあるとお思いでしょうか。守る会との話し合いは大切なことですが、守る会以外の市民への説明はどうするのでしょうか。この間の議会と市民への説明責任のあり方について、市長の見解をお伺いします。
<答弁>
◎長友貴樹 市長
調布駅前広場については、京王線連続立体交差事業の計画に合わせ、南北一体のまちづくりを進めるため、平成12年3月に中心市街地街づくり総合計画として取りまとめて以降、市として百年の計とも言われる一大プロジェクトを進めているところです。
調布駅前広場計画は、現在の諸機能に加え、鉄道とバス等との乗り継ぎの利便性を確保する交通結節機能を充実させるとともに、環境機能として潤いや安らぎのある都市空間とするため、緑あふれる空間を創出することとあわせ、にぎわいや交流機能を兼ね備えた広場とするため、多目的広場空間を確保すべく検討を進めています。
調布駅前広場の検討に当たっては、これまで駅前広場研究会を初め、市民との意見交換会やワークショップ、パブリックコメント手続など、検討の各段階で多様な市民参加手法を実践しながら、計画を取りまとめてきたところです。
しかしながら、計画を具現化する段階において、既存樹木の保全等に関して、より広範に意見を聴取する必要があったと認識しています。
引き続き、調布駅前広場事業の進捗を図りつつ、整備に当たっては、議会の皆様との議論や市民説明会、意見交換会の場に加え、出前講座や駅頭などに出向いて市民の御意見を伺う手法も活用するなど、丁寧な説明に努めながら事業を進めてまいります。
次に、調布駅周辺における大規模な公共施設については、各施設を取り巻く課題を整理しながら、将来的な更新等に向けた検討を進めているところであり、各施設機能のあり方や更新等について、早期にその方向性を定めてまいりたいと考えております。
◎岩本宏樹 都市整備部長
初めに、樹木についてです。
調布駅前広場内の既存樹木については、平成28年2月に移設する場合の安全面、費用面等を考慮し、原則撤去という市の方針を御説明いたしましたが、この間、保全を求める多くの声をいただいたことで、市民の皆様などに親しまれたきた調布駅前広場内の既存樹木に対する強い思いを改めて認識をしたところです。
その後、平成28年10月31日の中心市街地基盤整備等特別委員会、また、11月29日の全員協議会にて、既存樹木の活用案を御提案させていただきました。
現在提示をしている案につきましては、これまでの案に加えて、樹木保全に向けた市民の思いを受けとめ、市として移植先を広範囲に見直すとともに、広場の整備完了直後においても、一定程度の日陰を確保する観点から、幼木だけではなく成木の植樹を考慮した場合の新規樹木との費用比較を踏まえ、シンボルとなり得る樹木、記念樹的なものなどは調布駅前広場に残す、もしくは一旦広場外へ移植をした後に再び広場に戻すという考えを加味し、検討を加えたものであります。
<質問>
◆大須賀浩裕
次に、調布駅南地下自転車駐車場――以下、地下駐輪場と言います――についてお尋ねします。
市民への説明が足りないとして、平成26年第1回定例会で地下駐輪場設計費を除いた修正案が可決されました。その後、市は、平成26年12月にアンケート調査を実施しました。ことしの2月21日に守る会から市議会議員に渡された地下駐輪場についての疑問点には、市の行ったアンケートの内容は、市民に対して駐輪場は地上がよいか、地下がよいかを三択で問うもので、素案として示された地下駐輪場についての意見を問うものではなかった。地下駐輪場であるにもかかわらず、駅にはつながらないことがデメリットとしてアンケートに記載されていないのは手落ちなのではないかとあります。
スクリーンをごらんください。
地下駐輪場が駅に直結しないことは、アンケート本体に説明はありません。駅への接続はありませんと表記されていたのは、附属の参考資料でした。これですよね。これが附属の参考資料の1ページです。この1ページの中のこの部分を拡大したのが、これです。この部分の、ここのところに駐輪場にはつながっていませんと書いてあるわけです。駅への接続がない記載に気がつかなかった市民がいても、このような表記では不思議ではありません。
質問に戻ります。駅に直結していないことをどのくらいの市民が理解しているのでしょうか。地下駐輪場が完成し、利用が始まった段階で、利用者からこんな不便な駐輪場をどうしてつくったんだ、市と議会は市民の利便性を考えなかったのかと指摘されるようなことがないと自信を持って言い切れるでしょうか。
樹木について最大の反省は、市民への説明不足だったはずです。樹木について起こったことと同様のことが、地下駐輪場でも起こっていたら大変なことです。
お尋ねします。駐輪場計画について、市民への説明を十分したと市は考えているのでしょうか。アンケート実施後、駅に直結していないことをどう市民に説明してきたのでしょうか。また、このことを多くの市民が理解していると認識しているのでしょうか。しているとすれば、その根拠はなんでしょうか。
市は、中心市街地デザイン・コンセプトで調布、布田、国領各駅の駅前広場を庭園の中の駅前広場とし、庭園のような緑道空間で3つの駅と市内の自然をつなぐとしています。すばらしい構想だと思いますが、実際はどうでしょうか。
スクリーンをごらんください。
駅前広場が完成した布田駅と国領駅です。できたばかりで、樹木がまだ小さいことは理解しますが、どちらにも緑も花も余り見当たらず、庭園の中の駅前広場とはほど遠いように感じます。
調布駅については、御存じのように、守る会の御努力で一定の樹木が残ることになっています。
次の写真をごらんください。
中心市街地デザイン・コンセプトに基づく庭園広場と位置づけられた駅前広場模型の写真です。これを見ても構想と実態が随分違うような気がします。
質問に戻ります。市が本気で庭園構想を実現しようとしているのでしたら、線路跡地に緑道をつくる意義に賛同しますが、本気でないのでしたら、現在、緑道、生活道路等の予定地としている計画の一部を駐輪場に転用することについて、もう一度だけ市民に聞いてみるお考えはないのでしょうか。
スクリーンをごらんください。
調布駅周辺の線路跡地には、駐輪場予定地に隣接した緑道等の予定地が調布駅の東側に2カ所、2,400平方メートル、西側に2カ所、2,860平方メートル、合計4カ所、5,260平方メートルあります。
上の図、この図ですね。上の図は、鉄道敷地利用計画図で、青色が駐輪場、緑色が緑道等の予定地です。
下の写真は、商業施設の西側に位置する面積約990平方メートルの緑道等の予定地で、東側からと西側から撮影した写真です。建設中の建物はシネマコンプレックスです。
質問に戻ります。地下駐輪場と緑道の一部に新たにつくることができるかもしれない駐輪場を比較してみます。地下駐輪場のデメリットは、調布駅に直接乗り入れることができず、一旦駅前広場に上がってから、再び地下駅におりていく不便な構造。2、1,900台で19億円、1台当たり100万円の建設費がかかる。3、建設の影響で樹木が伐採されるなどでしょうか。
一方、緑道等予定地の一部に駐輪場をつくるデメリットは、1、緑道の面積が減る。2、場合によっては駅までの距離が地下駐輪場より遠くなる可能性があるなどでしょうか。
建設を着工する前にもう一度だけ立ちどまり、費用対効果とメリット、デメリットを比較し、アンケートを含め、市民にもう一度だけ聞いてみるお考えはないのでしょうか。
駐輪場の設置について、もう一度立ちどまるとしたら、鉄道会社に一定の費用負担をお願いすることについても、一度、市民に聞いてみたらどうでしょうか。
平成26年第1回定例会の一般質問で述べましたが、調布市と同じように連続立体交差事業を行った小田急線と東急目黒線は、いずれも線路跡地に鉄道会社が駐輪場を設置しています。
市長は、市民と鉄道会社のどちらの利益を優先するのでしょうか。市長が鉄道会社ファーストだとしたらとても悲しいことです。費用負担について、市民に確認してから結論を出すお考えはあるのか、お伺いします。
<答弁>
◎岩本宏樹 都市整備部長
続きまして、調布駅南地下駐輪場につきましては、平成26年第1回調布市議会定例会で駐輪場の全体計画と事業費を示した上で、市民の意向を確認すべきとの御判断をいただいたことを受け、平成26年度にアンケート調査を実施しました。
アンケートの内容につきましては、市議会の皆様の御意見を丁寧にお伺いし、全体計画案のメリット、デメリット、事業費等も記載するほか、地下での接続がないことなど、できるだけ各案の概要がイメージしやすいように作成をしたもので、無作為抽出の市民3,000名のほか、駐輪場利用者や鉄道敷地沿道の居住者にもお願いをするとともに、市庁舎にも配架をし、多くの方から回答をいただきました。
その結果、過半数の方が現在の位置での地下駐輪場を含む整備案が妥当であると回答しており、一昨年、平成27年2月に市報で公表するとともに、同年8月にアンケート結果について報告会を開催し、広く市民に報告をいたしました。
また、昨年6月に開催をした事業認可説明会においても、駐輪場利用者の動線について説明を行ったところですが、今後に向けても工事説明会等の機会を捉え、駅舎と地下での接続がないことを含め、情報発信に努めてまいります。
調布駅南地下自転車駐車場については、駅前広場計画との整合を図りながら、平成27年11月に都市計画決定し、平成28年4月に東京都から、平成31年3月末までの認可期間で事業認可を取得したところですが、その手続の各段階において市民意見をいただくとともに、市議会へも報告をしながら進めてまいりました。
鉄道敷地における駐輪場の整備計画についても、議会や市民の皆様の意見を取り入れながら取りまとめたものであり、現在、段階的に整備を進めているところであります。
<質問>
◆大須賀浩裕
次は、調布駅前公園、通称タコ公園についてお尋ねします。
市長は、基本的施策でラグビーワールドカップとオリンピック・パラリンピックが調布で開催されることは、調布のまちの魅力を国内外に発信できる絶好の機会と述べておられます。調布のまちの魅力とは何でしょうか。映画、音楽、スポーツ、ゲゲゲの鬼太郎、新選組、味の素スタジアム、FC東京、深大寺、多摩川などでしょうか。
タコ公園で遊ぶ子どもたちの笑顔と歓声、子どもたちが遊んでいる様子を通りかかった市民が温かく見守っている姿も、調布を代表する大きな魅力だったのではないでしょうか。
お別れ会には、子どもたちはもちろんのこと、多くの大人も駆けつけました。ことしの成人式でも懐かしくタコ公園の思い出を語っていた新成人が何人もいました。子どもたちにとってタコ公園は、単に遊ぶ場所ではなく、最も大切な調布の原風景だったのかもしれません。国内にこのような公園がほかにあるのでしょうか。
市は、タコ公園の代替機能を持った公園を市役所西側の線路跡地につくる計画と説明してきました。市長は、タコのお別れ会に当たり、長年にわたり、多くの市民にタコ公園という愛称で親しまれ、子どもたちの笑顔と歓声が絶えない公園だった。駅前広場の歴史と市民の皆様の思いを受け継ぎながら、一層愛される公園を目指すとのメッセージをお寄せになりました。
子どもたちの笑顔と歓声が絶えないタコ公園、最大の特色はどうなってしまうのでしょうか。子どもの声がうるさいと、市内でも周辺住民の反対で2つの保育園がつくれなかったことは、皆さんも御承知のことだと思います。
スクリーンをごらんください。
これは、タコ公園の代替公園の予定地を市役所から、あるいは予定地の端から撮った写真です。代替公園予定地の西側には、住宅が建っています。万が一、うるさいと怒られるようなことがあったら、子どもたちが安心して遊ぶことができるのでしょうか。
質問に戻り、お伺いします。代替予定地周辺の住民にどのように説明してきたのでしょうか。子どもが安心して遊べる機能、笑顔と歓声が絶えない公園としての機能は担保されるのでしょうか。されるとすれば、その根拠は何でしょうか。
市長は、子どもたちの笑顔と歓声が絶えない公園が駅前にあったことをどう評価しておられるのでしょうか。今後も駅周辺にそのような特色を持った公園をつくっていくことについてのお考えをお聞かせください。
最も大切なことは、子どもたちが安心して遊ぶことができ、大人が見守っていることだと思います。最も適している場所は駅前広場ではないでしょうか。
代替地を市役所西側の線路跡地に求めるのではなく、計画を変更して駅前広場用地に求めることはどうでしょうか。そうすれば、代替予定だった都市公園部分、約1,800メートルの一部に駐輪施設をつくることも可能だと思いますが、お考えをお聞かせください。
計画では、今月中に撤去される予定のようですが、結果的にタコの滑り台はまだ存命しています。いっそのこと、長友市長の英断が必要ですが、工事の方法を工夫することにより撤去を中止し、タコの滑り台に復活してもらい、子どもたちに色も塗りかえてもらい、2019年と2020年には調布の子どもたちと国内外から調布を訪れる世界中の子どもたちとの交流拠点にしてみたらどうでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。
<答弁>
◎岩本宏樹 都市整備部長
閉鎖した通称タコ公園の代替地として線路跡地ではなく、現在整備中の駅前広場内に求めるとの御提案ですが、調布駅前広場は、都市計画道路として都市計画決定し、事業認可を取得し、事業を進めており、その機能を阻害しない形で公園として整備することは極めて難しい状況です。
一方で、市民の皆様に親しまれる駅前広場整備を目指し、子どもが安心して過ごせる空間としてプレーゾーンとして検討しているところです。
また、調布駅南側広場においては、現在、既に閉鎖済みの調布南自転車駐車場や、通称タコ公園の遊具など、既存構造物等の撤去工事を進めているところであり、御理解賜りますようお願いいたします。
◎柏原公毅 環境部長
私からは、調布駅前公園及びその代替となる公園についてお答えします。
調布駅前公園は、調布駅前のシンボルの1つであったタコの滑り台や駅前という好立地であったことなどから、昭和47年の開園以降、世代を超えて大変多くの方々に御利用いただいてまいりました。昨年9月末の閉園時には、公園の閉園を惜しむ多くの声をいただき、この公園がいかに市民に愛されてきたのかということを改めて実感いたしました。
市では、この調布駅前公園の代替公園として、市役所西側の京王相模原線の鉄道敷地跡を考えており、平成29年度から設計作業に着手する予定です。
調布駅前公園の利用者であった保育園や、昨年9月30日実施したタコのお別れ会などにおいて、市民からいただいた御意見では、鉄道敷地に整備する公園にタコの滑り台を設置してほしいなど、子どもが遊べる機能を主とした公園を求める声が多くあり、これらを踏まえ設計を進める必要があると考えています。
一方で、議員の御質問にありましたとおり、敷地の西側には住宅地が隣接しているため、公園利用に伴う音を懸念する御意見もあろうかと思います。このため、今後の設計においては、周辺の方々と丁寧に意見交換しながら、公園の位置づけや機能について御理解をいただくよう努めてまいります。
また、幅は10メートル程度と浅いものの、延長が約180メートルと長いため、遊具を設置する場合においても、周辺の住宅との間隔に配慮しながら進めていく必要があると考えております。
調布駅前公園同様に、老若男女、多くの利用者に親しまれる公園を目指すとともに、近隣の方々にも配慮した公園となるよう進めてまいります。
<質問>
◆大須賀浩裕
次に、公共施設棟と駅前広場についてお尋ねします。
平成23年の基本設計や一般質問での答弁から、公共施設棟の機能は、交番、公衆トイレ、観光案内所、市の出先窓口、ミュージアム、展望ホール、選挙の期日前投票所などと説明されてきましたが、最近になり計画が大きく変わったようです。
スクリーンをごらんください。
2月24日の全議員説明会で示された調布駅前広場課題検討図です。当初案から大きく変更した内容にもかかわらず、質疑を受け付けない全議員説明会で説明するというあり方には、大いに疑問を呈することをまず申し上げておきます。
公共施設棟は、安全対策と費用面から交番が独立し、公衆トイレが地下駐輪場の地上出入り口に併設し、設置される方向となったため、導入機能やあり方について検討が必要とされ、このままでは施設棟そのものがなくなってしまいそうです。そうなったら著名な建築家に払ったお金はどうなるのでしょうか。
市は、平成23年に中心市街地デザイン検討及び公共施設他実施設計業務委託料1,732万円余など、平成20年から4年間にわたり合計3,630万円余を安藤忠雄建築研究所に支払っています。安藤建築研究所に設計をお願いしたのは、市長の強い希望があったとお聞きしていますが、貴重な税金が無駄になってしまうのが心配です。
質問に戻ります。課題検討図にある芝生、噴水、西側プレーゾーンも検討が必要なようです。公共施設棟がなくなれば、それを覆う大屋根も必要がなくなり、このままでは当初の計画のとおり残る施設は、ロータリー部分と上屋だけになってしまうかもしれません。
お伺いしますが、この間、公共施設棟と駅前広場の機能について、誰がどこでどのように検討してきたのでしょうか。公共施設棟はどうなってしまうのでしょうか。駅前広場の計画自体もどうなってしまうのでしょうか。
調布駅周辺の公共施設のあり方も大きく問われています。市民の芸術文化振興の中心となるグリーンホールは、都市計画区域内に屋外階段があるため、地下駐輪場建設後に屋外階段を取り壊す方向で、建物内の階段を使うにしても、収容人数の大幅減など、使用の範囲が大きく制限されると聞いています。このことは、都市計画変更した平成14年にわかっていたはずなのに、今まで何をしてきたのでしょうか。
一方、高齢者や障害者の福祉サービスの拠点である総合福祉センターは、調布駅周辺地区計画が同じく平成14年に都市計画変更されたときに、敷地内に区画道路が拡幅されることになり、こちらも使えなくなることがわかっていたはずです。
どちらの建物も今まで、なぜ議会にも市民にもきちんと説明してこなかったのでしょうか。長友市長のリーダーシップは、どこで何をしていたのでしょう。
<答弁>
◎岩本宏樹 都市整備部長
次に、公共施設棟についてであります。
公共施設棟については、これまで中心市街地における産業振興と経済の活性化に寄与し、地域情報の発信拠点とすることを目的に検討を進めてまいりました。また、そこに導入する機能としては、交番、公衆トイレのほか、観光情報施設等での活用が図れる多目的スペースの配置を検討してきたところです。
このうち交番につきましては、平成24年12月20日に開催をされました中心市街地基盤整備等特別委員会にて御説明をさせていただいたとおりでありますが、治安上の問題や費用負担、工事スケジュールなどの課題があったことから、警視庁側との協議を踏まえ、駅前広場内に別棟で設置をすることとなったものであります。
また、公衆トイレにつきましては、ラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピックの開催を見据え、なるべく早期の機能確保が必要と判断をし、現在、公共施設棟とは切り離し、広場南西側に検討しております地下自転車駐車場の出入り口と併設をする形で機能確保を図りたいと考えているところであります。
また、大屋根につきましては、駅の広場口や公共施設棟と一体となった空間として、雨にぬれずに南北の行き来ができる空間となるほか、雨天時における利活用の可能性を創出すると認識をしております。
このように、当初、公共施設棟の検討時点とは諸条件が変化をしてきていることから、デザイン・コンセプトの概念を生かしながら、新たに導入する機能を含め、そのあり方について検討してまいりたいと考えております。
このほか、御指摘のとおり西側のプレーゾーン、芝生、防災機能、樹木の配置等を含め、今後も引き続き検討が必要であります。市議会並びに広く市民の皆様方と意見交換を重ねながら、方向性を定め、具体化していきたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
<質問>
◆大須賀浩裕
次は、景観についてお伺いします。
江戸時代末期から明治時代に日本を訪れた多くの外国人が、街並みに代表される日本のすぐれた景観に絵を見ているようだと驚嘆したと言われています。しかし、明治維新以降、特に戦後の高度経済成長の歩みにより、経済的には豊かになりましたが、一方で多くの景観が失われてきたのではないでしょうか。
市長は、日本貿易振興会に在職中、フランスやベルギーに赴任した経験がおありです。景観にも格別のお考えをお持ちかと思いますが、景観に対する市長の御見識をお聞かせください。
一方、調布市の景観整備の現実はどうなっているのでしょうか。調布、布田、国領の3駅が地下化され、布田駅と国領駅には新しい駅前広場ができ、布田駅の周辺には土地区画整理事業で新しい建物が建築されました。
その建物を見ると、高さ、形、色彩などのデザインが個性的です。もちろん建築主さんには自由に好きなものを建てる権利はありますが、ばらばらでは残念ながら景観が統一されなくなってしまいます。
布田駅周辺に建物が建設されたのが、市が景観行政団体に移行する前だったので、景観の指導がお願い行政の域を出ずだったものの、市長御自身ができる努力はなかったのでしょうか。
一方、昨年11月の市議会全員協議会で、調布駅前交番のデザインについて、市長にお聞きしました。新生調布の玄関である駅前広場に、最初に建った建物が交番でした。調布駅前広場は調布の顔です。調布の特色を広場内にできる建物にどう反映できるのかは、重大な課題ではないでしょうか。
私は、市長が映画やゲゲゲの鬼太郎など、調布の何らかの特色をデザインに取り入れてほしいと、都や警視庁に要望したけれど実現しなかったと思っていました。全員協議会で質問したとき、市長のお答えは、正直に言って、私自身は、デザインについて特段強い思いはないというものでした。答弁をお聞きして驚きました。調布のさまざまな特色をワンポイントでもいいからデザインに取り入れてもらいたいと要請することは、意味のないことなのでしょうか。
2つの事例を含め、景観行政の責任者として、市長御自身はどう御努力されたきたのかをお伺いします。また、すぐれた景観をつくっていくために必要なことは何とお考えでしょうか。
<答弁>
◎長友貴樹 市長
次に、景観施策についてですが、市では、地域の特性を生かした魅力的な景観形成を推進するため、平成25年6月に調布市景観条例を施行し、景観行政団体に移行するとともに、平成26年4月には景観法に基づく調布市景観計画を施行しています。
景観計画においては、調布、布田、国領の3駅を中心とする、いわゆる中心市街地を駅の景観形成推進地区として位置づけ、景観形成基準を設定し、景観法に基づく届け出を義務づけています。これにより、地区内における一定規模以上の建築物の新築時等に事業者と景観形成に向けた協議を行い、事業者の協力のもと、景観形成の観点からの配慮をいただいています。
一方で、景観法の届け出制度は、一定規模以上の建築行為等を対象とし、緩やかな規制誘導であることから、この届け出制度のほか、地区計画等の都市計画制度、街づくり条例に基づく街づくり協定、景観法に基づく景観協定等も活用しながら取り組んでいます。
調布駅前交番のデザインについては、建物所有者が警視庁であることや、建物用途等の特殊性から、基本的には警視庁の意向によるものとなっています。しかし、市では、当該建物が調布駅前広場に与える景観的な影響もあることから、調布駅前広場としてのデザインとの整合を図るため、建物に曲線を加える要望等を市から警視庁に申し入れた結果、一部の意見に配慮がなされ、現在の形状となったものです。
中心市街地は、多くの市民が関心を持っている地区であり、都市計画上も景観形成上も重要な拠点ですので、市民の皆様が愛着と誇りを持てる魅力ある中心市街地の街づくり、景観形成の推進に取り組んでまいります。
◎江田信久 都市整備部参事
私からは、良好な景観形成に向けての課題についてお答えをいたします。
これまで良好な景観形成が図られた事例としましては、緑ケ丘二丁目地区において、平成28年3月に市内初となる景観協定の認可を行いました。
この景観協定は、地域の良好な景観を保全するため、建物の形態、色彩、緑化のほか、清掃、美化活動に関する事項なども含まれており、景観法に基づき許可することにより、その実効性が担保され、安定的、継続的な運用が図れることになります。
また、旧調布富士見町住宅地区において大きな課題であった団地建てかえに伴い、住民、事業者、市の協働による良好な景観形成が評価され、平成28年度都市景観大賞の大賞である国土交通大臣賞を受賞しました。
このように地域のまちづくりや景観形成を進めていくためには、地域の住民発意と合意形成が極めて重要であり、市民の方々の財産に対する制約、制限について御理解、御協力をいただく必要があります。
一方で、市民がまちづくりや景観形成のルールづくりなどに取り組むために当たっては、関係する法令や制度も多く、なじみにくい現状もあります。そのため市では、多くの市民に景観法などの制度や身近な景観を知っていただくよう努めており、景観計画を補完する色彩や屋外広告物のガイドラインの検討、市民検討会での景観に関する課題、将来像について意見交換、広報紙の発行等を行っています。
また、将来のまちづくり、景観づくりの担い手となる小・中学生を対象とした景観学習にも取り組んでいます。
まちづくりや景観形成につきましても、これまでと同様に景観法や都市計画法、街づくり条例等を活用するとともに、市民や事業者の方々との合意形成を図りながら、良好なまちづくりや景観形成を推進してまいります。
<再質問>
◆大須賀浩裕
1点だけ、市長に再質問させていただきたいと思います。タコ公園の代替公園についてであります。
市長も、メッセージで子どもたちの笑顔と歓声が絶えない公園だった、思いを受け継ぎ一層愛される公園を目指すとされています。
でも、私は、そんな簡単なもんじゃないと思うんですね。市役所西側のあの土地に代替公園を建てる、子どもたちが遊ぶということは、笑顔や歓声があふれるわけですから。今まで全く説明していないわけですよね。あそこは、今、静かな住宅地になっています。どうしたらいいのか。市長が先頭に立って、本気で笑顔と歓声があふれる公園をつくるんだという、そういう先頭に立つ力が周辺住民の方に響くかどうか。それが、きちんとした公園をつくれるかどうかということの一番の鍵だと私は思っています。
また、調布駅南口広場に子どもたちが遊べる公園、笑顔と歓声にあふれる公園を今の広場につくれる、つくるっていうのは、そんな簡単なことじゃないと思っています。いろんなハードルがあるでしょう。
ただし、遊具は置くことはできませんけど、モニュメントは置くことができるんですね。したがって、モニュメントもいろんなタイプがありますから、いろんな工夫をしながら、子どもたちが遊べる、それを駅を通りかかった大人たちが見守っている。そんな駅前広場が調布以外にあるんでしょうか。もしないとしたら、いろんな特色が調布にはありますけど、これこそ最大の調布の特色。今、決してそれを失ってはならない。ぜひとも、私は復活してもらいたいと思いますので、市長の決意のほどをお伺いしたいと思います。
<答弁>
◎長友貴樹 市長
まず、大須賀議員の既存のこれまであった公園に対する思い、大変貴重な御意見をいただいたと。思いは私も同じでございまして、都市計画上、あれが残せなかったことに対する残念さはあります。
それから、簡単に申し上げますが、今度つくっていくところに関して、他の部長からも答弁いたしましたけれども、ぜひ周辺の理解をいただいた上で、子どもたちの声が聞こえる、そういう公園にしていくという思いは全く同じでございますので、最大限の努力をいたします。
それから、プレーゾーンと私どもが申しておる今後のスペースに関しては、でき得る限り、可能な限り、いろんな方の御要望をお聞きしながら、その中身について考えていきたいと、そのように思っております。
<取りまとめ>
◆大須賀浩裕
時間がありませんので、取りまとめたいと思います。
まず、調布の駅前公園についてですけども、本気で私は、日本一の公園になれると思っているんです。だからこそ、市長を先頭に、都市整備部を先頭に頑張っていらっしゃいますよね。でも、そこには、欠かすことのできない要素がある。1つは緑です、花ですよ。そして、子どもたちの笑顔と歓声です。そして、調布駅前広場は、何といっても調布の顔です。
だからこそ、調布の特色、いろんな特色がありますよね。それをいろんな形で駅前広場に具現化してもらいたいと私は思っているんですね。だからこそ、警視庁がつくるから、東京都がつくるから、交番のことは余り知らない。それじゃ、市長、もっとこだわってほしいんですよ。日本一の駅前広場をつくるために、市長の情熱をぶつけてほしいんです。交番をつくるにも、何かワンポイントでもいいから調布の特色をどこかにつけてくれと。言って無駄であっても、私は、そういう努力を市長にしていただきたいんです。その市長の情熱が、日本一の広場を生むきっかけになればいいなと私は考えております。
また、市長の説明責任ですけども、今回も樹木や交番、あるいはグリーンホール、総合福祉センター、公文書、市長の特徴なのか、行政の特徴なのかわかりませんけども、まとめて報告したがるんですよね、まとめて。まず第1報を入れる、第2報、第3報の続報を入れる。今回の公文書にしても、今の段階で市民に全く知らせていないということは、あり得ないと私は思っています。
市長は、当選以来、情報開示、市民参加、とっても大事にされてきました。原点に立ち返って、情報の共有についてももっと本腰を入れて、徹底して取り組んでいただきたいと思います。
以上で私の一般質問を終わります。
テーマは・・・
調布駅前広場について
(1) 樹木について
(2) 地下駐輪場について
(3) 整備計画について
調布駅前広場については、第1回定例会でも3月7日に質問をしました。
テーマは
1.都市計画のあり方について
(1)調布駅周辺の計画について
(2)景観について
2.行政と議会・市民との信頼関係について
(1)行政内部情報の流出事件について
質問と答弁の簡単な内容が、5月5日発行の市議会だより第229号に載っています。
(市議会ホームページより)
質問して以降、「細かい質問の内容が知りたい」と数人の方に言われました。
5月24日からインターネットで第1回定例会の会議録が公開されています。
質問は「一括質問方式」で行いましたが、読みやすいように「一問一答方式」に編集して転載します。
(市議会会議録平成29年第1回定例会 大須賀一般質問より)
<質問>
◆大須賀浩裕
今回の質問は、大きくは都市計画のあり方についてと行政と議会、市民との信頼関係について、この2点についてお伺いします。都市計画のあり方についての初めに、調布駅周辺の計画について何点かお尋ねします。
まず、駅前広場の樹木についてお伺いします。
樹木の伐採に関しては、市は、市民に十分に説明し、理解されていると議会に報告し、私たちは、その報告を信じてきました。ところが、伐採に反対する市民団体、調布駅南口広場樹木を守る会――以下、守る会と言います――の署名活動に1万5,000名を超える市民が署名をしました。このことは、市の計画に1万5,000名を超える市民が反対を表明していることを意味します。中心メンバーに近隣の自治会長さんもいるとお聞きしています。
ことし1月30日に市長と市議会に提出された守る会の要望書には、署名に応えたほとんどの方が樹木の伐採を知らなかったと驚いた。駅前広場の計画は市民に周知されたものと言えないとあります。
樹木について、市の計画は二転三転してきました。中心市街地デザイン・コンセプトで調布駅前広場を庭園の中の駅前広場と位置づけながら、平成28年度当初案では、原則伐採。昨年11月の市議会全員協議会では、11本保全、22本移植、68本伐採。ところが、市長は、2月21日の記者会見で33本残す考えを改め、51本を残すことにしたと発表なさいました。
この案は、2月24日に説明のみで、質疑はなしという異例な形で開催された全議員説明会で示されました。守る会には合意されていない、議会には3日後に説明する、このような状況で市の最終案が記者会見で発表されたことに違和感を感じます。守る会との意見交換はもちろん大切ですが、議会との意見交換、協議は大切ではないのでしょうか。
また、市が1月10日に守る会の案を受けてから、全議員説明会で最終案を示すまで1カ月半もありました。議会への説明を第1回定例会の議案送付の2月20日より前に開催すれば、事前審査に当たらず質疑や協議ができたはずです。4日間早めることが難しかったとは思えません。積極的に議会と協議をしようとする姿勢が長友市長におありなのでしょうか。
さて、樹木の伐採は市長名で行われます。今回、市長御自身も伐採される樹木はもちろんのこと、全ての木と向かい合われたことだと推察いたします。私は、昨年の11月に調布駅前広場の全ての樹木の写真を撮りました。ちょっとセットさせていただきます。
スクリーンをごらんください。
撮影しながら、これほど多くの樹木があったことを改めて認識しました。樹木の中には、第一小学校時代の木もあり、先人たちが時代をかけて築いてきた、まさに調布駅前広場の森と呼ぶにふさわしいものでした。この森は、先人たちが私たちに残してくれたレガシーと言えるのではないでしょうか。歴史と思い出のある木を一本でも残すことは、とても大切なことだと痛感しました。
質問に戻ります。2019ラグビーワールドカップ、2020オリンピック・パラリンピックで世界中から多くの人が調布を訪れることでしょう。駅前広場のたくさんの緑を生かしながら、新たに多くの花を市民との協働で植え、国内外、世界中の人を緑と花で歓迎することは大変意味のあることだと思います。
市長は、基本的施策で、東京都を初め、多様な主体とも連携し、多摩地域全体の振興にも寄与するさまざまな有形、無形のレガシーの創出に向け取り組んでいくと述べておられます。調布の先人たちが築いてきた足元のレガシーを次の世代につなげていくことを新たなレガシーとすることも重要なことではないでしょうか。
何点かお尋ねします。今までと、そして、これからの緑あふれる駅前広場の魅力について、市長はどのようにお考えでしょうか。伐採か保存か、市の計画が二転三転してきた理由はどこにあるとお思いでしょうか。守る会との話し合いは大切なことですが、守る会以外の市民への説明はどうするのでしょうか。この間の議会と市民への説明責任のあり方について、市長の見解をお伺いします。
<答弁>
◎長友貴樹 市長
調布駅前広場については、京王線連続立体交差事業の計画に合わせ、南北一体のまちづくりを進めるため、平成12年3月に中心市街地街づくり総合計画として取りまとめて以降、市として百年の計とも言われる一大プロジェクトを進めているところです。
調布駅前広場計画は、現在の諸機能に加え、鉄道とバス等との乗り継ぎの利便性を確保する交通結節機能を充実させるとともに、環境機能として潤いや安らぎのある都市空間とするため、緑あふれる空間を創出することとあわせ、にぎわいや交流機能を兼ね備えた広場とするため、多目的広場空間を確保すべく検討を進めています。
調布駅前広場の検討に当たっては、これまで駅前広場研究会を初め、市民との意見交換会やワークショップ、パブリックコメント手続など、検討の各段階で多様な市民参加手法を実践しながら、計画を取りまとめてきたところです。
しかしながら、計画を具現化する段階において、既存樹木の保全等に関して、より広範に意見を聴取する必要があったと認識しています。
引き続き、調布駅前広場事業の進捗を図りつつ、整備に当たっては、議会の皆様との議論や市民説明会、意見交換会の場に加え、出前講座や駅頭などに出向いて市民の御意見を伺う手法も活用するなど、丁寧な説明に努めながら事業を進めてまいります。
次に、調布駅周辺における大規模な公共施設については、各施設を取り巻く課題を整理しながら、将来的な更新等に向けた検討を進めているところであり、各施設機能のあり方や更新等について、早期にその方向性を定めてまいりたいと考えております。
◎岩本宏樹 都市整備部長
初めに、樹木についてです。
調布駅前広場内の既存樹木については、平成28年2月に移設する場合の安全面、費用面等を考慮し、原則撤去という市の方針を御説明いたしましたが、この間、保全を求める多くの声をいただいたことで、市民の皆様などに親しまれたきた調布駅前広場内の既存樹木に対する強い思いを改めて認識をしたところです。
その後、平成28年10月31日の中心市街地基盤整備等特別委員会、また、11月29日の全員協議会にて、既存樹木の活用案を御提案させていただきました。
現在提示をしている案につきましては、これまでの案に加えて、樹木保全に向けた市民の思いを受けとめ、市として移植先を広範囲に見直すとともに、広場の整備完了直後においても、一定程度の日陰を確保する観点から、幼木だけではなく成木の植樹を考慮した場合の新規樹木との費用比較を踏まえ、シンボルとなり得る樹木、記念樹的なものなどは調布駅前広場に残す、もしくは一旦広場外へ移植をした後に再び広場に戻すという考えを加味し、検討を加えたものであります。
<質問>
◆大須賀浩裕
次に、調布駅南地下自転車駐車場――以下、地下駐輪場と言います――についてお尋ねします。
市民への説明が足りないとして、平成26年第1回定例会で地下駐輪場設計費を除いた修正案が可決されました。その後、市は、平成26年12月にアンケート調査を実施しました。ことしの2月21日に守る会から市議会議員に渡された地下駐輪場についての疑問点には、市の行ったアンケートの内容は、市民に対して駐輪場は地上がよいか、地下がよいかを三択で問うもので、素案として示された地下駐輪場についての意見を問うものではなかった。地下駐輪場であるにもかかわらず、駅にはつながらないことがデメリットとしてアンケートに記載されていないのは手落ちなのではないかとあります。
スクリーンをごらんください。
地下駐輪場が駅に直結しないことは、アンケート本体に説明はありません。駅への接続はありませんと表記されていたのは、附属の参考資料でした。これですよね。これが附属の参考資料の1ページです。この1ページの中のこの部分を拡大したのが、これです。この部分の、ここのところに駐輪場にはつながっていませんと書いてあるわけです。駅への接続がない記載に気がつかなかった市民がいても、このような表記では不思議ではありません。
質問に戻ります。駅に直結していないことをどのくらいの市民が理解しているのでしょうか。地下駐輪場が完成し、利用が始まった段階で、利用者からこんな不便な駐輪場をどうしてつくったんだ、市と議会は市民の利便性を考えなかったのかと指摘されるようなことがないと自信を持って言い切れるでしょうか。
樹木について最大の反省は、市民への説明不足だったはずです。樹木について起こったことと同様のことが、地下駐輪場でも起こっていたら大変なことです。
お尋ねします。駐輪場計画について、市民への説明を十分したと市は考えているのでしょうか。アンケート実施後、駅に直結していないことをどう市民に説明してきたのでしょうか。また、このことを多くの市民が理解していると認識しているのでしょうか。しているとすれば、その根拠はなんでしょうか。
市は、中心市街地デザイン・コンセプトで調布、布田、国領各駅の駅前広場を庭園の中の駅前広場とし、庭園のような緑道空間で3つの駅と市内の自然をつなぐとしています。すばらしい構想だと思いますが、実際はどうでしょうか。
スクリーンをごらんください。
駅前広場が完成した布田駅と国領駅です。できたばかりで、樹木がまだ小さいことは理解しますが、どちらにも緑も花も余り見当たらず、庭園の中の駅前広場とはほど遠いように感じます。
調布駅については、御存じのように、守る会の御努力で一定の樹木が残ることになっています。
次の写真をごらんください。
中心市街地デザイン・コンセプトに基づく庭園広場と位置づけられた駅前広場模型の写真です。これを見ても構想と実態が随分違うような気がします。
質問に戻ります。市が本気で庭園構想を実現しようとしているのでしたら、線路跡地に緑道をつくる意義に賛同しますが、本気でないのでしたら、現在、緑道、生活道路等の予定地としている計画の一部を駐輪場に転用することについて、もう一度だけ市民に聞いてみるお考えはないのでしょうか。
スクリーンをごらんください。
調布駅周辺の線路跡地には、駐輪場予定地に隣接した緑道等の予定地が調布駅の東側に2カ所、2,400平方メートル、西側に2カ所、2,860平方メートル、合計4カ所、5,260平方メートルあります。
上の図、この図ですね。上の図は、鉄道敷地利用計画図で、青色が駐輪場、緑色が緑道等の予定地です。
下の写真は、商業施設の西側に位置する面積約990平方メートルの緑道等の予定地で、東側からと西側から撮影した写真です。建設中の建物はシネマコンプレックスです。
質問に戻ります。地下駐輪場と緑道の一部に新たにつくることができるかもしれない駐輪場を比較してみます。地下駐輪場のデメリットは、調布駅に直接乗り入れることができず、一旦駅前広場に上がってから、再び地下駅におりていく不便な構造。2、1,900台で19億円、1台当たり100万円の建設費がかかる。3、建設の影響で樹木が伐採されるなどでしょうか。
一方、緑道等予定地の一部に駐輪場をつくるデメリットは、1、緑道の面積が減る。2、場合によっては駅までの距離が地下駐輪場より遠くなる可能性があるなどでしょうか。
建設を着工する前にもう一度だけ立ちどまり、費用対効果とメリット、デメリットを比較し、アンケートを含め、市民にもう一度だけ聞いてみるお考えはないのでしょうか。
駐輪場の設置について、もう一度立ちどまるとしたら、鉄道会社に一定の費用負担をお願いすることについても、一度、市民に聞いてみたらどうでしょうか。
平成26年第1回定例会の一般質問で述べましたが、調布市と同じように連続立体交差事業を行った小田急線と東急目黒線は、いずれも線路跡地に鉄道会社が駐輪場を設置しています。
市長は、市民と鉄道会社のどちらの利益を優先するのでしょうか。市長が鉄道会社ファーストだとしたらとても悲しいことです。費用負担について、市民に確認してから結論を出すお考えはあるのか、お伺いします。
<答弁>
◎岩本宏樹 都市整備部長
続きまして、調布駅南地下駐輪場につきましては、平成26年第1回調布市議会定例会で駐輪場の全体計画と事業費を示した上で、市民の意向を確認すべきとの御判断をいただいたことを受け、平成26年度にアンケート調査を実施しました。
アンケートの内容につきましては、市議会の皆様の御意見を丁寧にお伺いし、全体計画案のメリット、デメリット、事業費等も記載するほか、地下での接続がないことなど、できるだけ各案の概要がイメージしやすいように作成をしたもので、無作為抽出の市民3,000名のほか、駐輪場利用者や鉄道敷地沿道の居住者にもお願いをするとともに、市庁舎にも配架をし、多くの方から回答をいただきました。
その結果、過半数の方が現在の位置での地下駐輪場を含む整備案が妥当であると回答しており、一昨年、平成27年2月に市報で公表するとともに、同年8月にアンケート結果について報告会を開催し、広く市民に報告をいたしました。
また、昨年6月に開催をした事業認可説明会においても、駐輪場利用者の動線について説明を行ったところですが、今後に向けても工事説明会等の機会を捉え、駅舎と地下での接続がないことを含め、情報発信に努めてまいります。
調布駅南地下自転車駐車場については、駅前広場計画との整合を図りながら、平成27年11月に都市計画決定し、平成28年4月に東京都から、平成31年3月末までの認可期間で事業認可を取得したところですが、その手続の各段階において市民意見をいただくとともに、市議会へも報告をしながら進めてまいりました。
鉄道敷地における駐輪場の整備計画についても、議会や市民の皆様の意見を取り入れながら取りまとめたものであり、現在、段階的に整備を進めているところであります。
<質問>
◆大須賀浩裕
次は、調布駅前公園、通称タコ公園についてお尋ねします。
市長は、基本的施策でラグビーワールドカップとオリンピック・パラリンピックが調布で開催されることは、調布のまちの魅力を国内外に発信できる絶好の機会と述べておられます。調布のまちの魅力とは何でしょうか。映画、音楽、スポーツ、ゲゲゲの鬼太郎、新選組、味の素スタジアム、FC東京、深大寺、多摩川などでしょうか。
タコ公園で遊ぶ子どもたちの笑顔と歓声、子どもたちが遊んでいる様子を通りかかった市民が温かく見守っている姿も、調布を代表する大きな魅力だったのではないでしょうか。
お別れ会には、子どもたちはもちろんのこと、多くの大人も駆けつけました。ことしの成人式でも懐かしくタコ公園の思い出を語っていた新成人が何人もいました。子どもたちにとってタコ公園は、単に遊ぶ場所ではなく、最も大切な調布の原風景だったのかもしれません。国内にこのような公園がほかにあるのでしょうか。
市は、タコ公園の代替機能を持った公園を市役所西側の線路跡地につくる計画と説明してきました。市長は、タコのお別れ会に当たり、長年にわたり、多くの市民にタコ公園という愛称で親しまれ、子どもたちの笑顔と歓声が絶えない公園だった。駅前広場の歴史と市民の皆様の思いを受け継ぎながら、一層愛される公園を目指すとのメッセージをお寄せになりました。
子どもたちの笑顔と歓声が絶えないタコ公園、最大の特色はどうなってしまうのでしょうか。子どもの声がうるさいと、市内でも周辺住民の反対で2つの保育園がつくれなかったことは、皆さんも御承知のことだと思います。
スクリーンをごらんください。
これは、タコ公園の代替公園の予定地を市役所から、あるいは予定地の端から撮った写真です。代替公園予定地の西側には、住宅が建っています。万が一、うるさいと怒られるようなことがあったら、子どもたちが安心して遊ぶことができるのでしょうか。
質問に戻り、お伺いします。代替予定地周辺の住民にどのように説明してきたのでしょうか。子どもが安心して遊べる機能、笑顔と歓声が絶えない公園としての機能は担保されるのでしょうか。されるとすれば、その根拠は何でしょうか。
市長は、子どもたちの笑顔と歓声が絶えない公園が駅前にあったことをどう評価しておられるのでしょうか。今後も駅周辺にそのような特色を持った公園をつくっていくことについてのお考えをお聞かせください。
最も大切なことは、子どもたちが安心して遊ぶことができ、大人が見守っていることだと思います。最も適している場所は駅前広場ではないでしょうか。
代替地を市役所西側の線路跡地に求めるのではなく、計画を変更して駅前広場用地に求めることはどうでしょうか。そうすれば、代替予定だった都市公園部分、約1,800メートルの一部に駐輪施設をつくることも可能だと思いますが、お考えをお聞かせください。
計画では、今月中に撤去される予定のようですが、結果的にタコの滑り台はまだ存命しています。いっそのこと、長友市長の英断が必要ですが、工事の方法を工夫することにより撤去を中止し、タコの滑り台に復活してもらい、子どもたちに色も塗りかえてもらい、2019年と2020年には調布の子どもたちと国内外から調布を訪れる世界中の子どもたちとの交流拠点にしてみたらどうでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。
<答弁>
◎岩本宏樹 都市整備部長
閉鎖した通称タコ公園の代替地として線路跡地ではなく、現在整備中の駅前広場内に求めるとの御提案ですが、調布駅前広場は、都市計画道路として都市計画決定し、事業認可を取得し、事業を進めており、その機能を阻害しない形で公園として整備することは極めて難しい状況です。
一方で、市民の皆様に親しまれる駅前広場整備を目指し、子どもが安心して過ごせる空間としてプレーゾーンとして検討しているところです。
また、調布駅南側広場においては、現在、既に閉鎖済みの調布南自転車駐車場や、通称タコ公園の遊具など、既存構造物等の撤去工事を進めているところであり、御理解賜りますようお願いいたします。
◎柏原公毅 環境部長
私からは、調布駅前公園及びその代替となる公園についてお答えします。
調布駅前公園は、調布駅前のシンボルの1つであったタコの滑り台や駅前という好立地であったことなどから、昭和47年の開園以降、世代を超えて大変多くの方々に御利用いただいてまいりました。昨年9月末の閉園時には、公園の閉園を惜しむ多くの声をいただき、この公園がいかに市民に愛されてきたのかということを改めて実感いたしました。
市では、この調布駅前公園の代替公園として、市役所西側の京王相模原線の鉄道敷地跡を考えており、平成29年度から設計作業に着手する予定です。
調布駅前公園の利用者であった保育園や、昨年9月30日実施したタコのお別れ会などにおいて、市民からいただいた御意見では、鉄道敷地に整備する公園にタコの滑り台を設置してほしいなど、子どもが遊べる機能を主とした公園を求める声が多くあり、これらを踏まえ設計を進める必要があると考えています。
一方で、議員の御質問にありましたとおり、敷地の西側には住宅地が隣接しているため、公園利用に伴う音を懸念する御意見もあろうかと思います。このため、今後の設計においては、周辺の方々と丁寧に意見交換しながら、公園の位置づけや機能について御理解をいただくよう努めてまいります。
また、幅は10メートル程度と浅いものの、延長が約180メートルと長いため、遊具を設置する場合においても、周辺の住宅との間隔に配慮しながら進めていく必要があると考えております。
調布駅前公園同様に、老若男女、多くの利用者に親しまれる公園を目指すとともに、近隣の方々にも配慮した公園となるよう進めてまいります。
<質問>
◆大須賀浩裕
次に、公共施設棟と駅前広場についてお尋ねします。
平成23年の基本設計や一般質問での答弁から、公共施設棟の機能は、交番、公衆トイレ、観光案内所、市の出先窓口、ミュージアム、展望ホール、選挙の期日前投票所などと説明されてきましたが、最近になり計画が大きく変わったようです。
スクリーンをごらんください。
2月24日の全議員説明会で示された調布駅前広場課題検討図です。当初案から大きく変更した内容にもかかわらず、質疑を受け付けない全議員説明会で説明するというあり方には、大いに疑問を呈することをまず申し上げておきます。
公共施設棟は、安全対策と費用面から交番が独立し、公衆トイレが地下駐輪場の地上出入り口に併設し、設置される方向となったため、導入機能やあり方について検討が必要とされ、このままでは施設棟そのものがなくなってしまいそうです。そうなったら著名な建築家に払ったお金はどうなるのでしょうか。
市は、平成23年に中心市街地デザイン検討及び公共施設他実施設計業務委託料1,732万円余など、平成20年から4年間にわたり合計3,630万円余を安藤忠雄建築研究所に支払っています。安藤建築研究所に設計をお願いしたのは、市長の強い希望があったとお聞きしていますが、貴重な税金が無駄になってしまうのが心配です。
質問に戻ります。課題検討図にある芝生、噴水、西側プレーゾーンも検討が必要なようです。公共施設棟がなくなれば、それを覆う大屋根も必要がなくなり、このままでは当初の計画のとおり残る施設は、ロータリー部分と上屋だけになってしまうかもしれません。
お伺いしますが、この間、公共施設棟と駅前広場の機能について、誰がどこでどのように検討してきたのでしょうか。公共施設棟はどうなってしまうのでしょうか。駅前広場の計画自体もどうなってしまうのでしょうか。
調布駅周辺の公共施設のあり方も大きく問われています。市民の芸術文化振興の中心となるグリーンホールは、都市計画区域内に屋外階段があるため、地下駐輪場建設後に屋外階段を取り壊す方向で、建物内の階段を使うにしても、収容人数の大幅減など、使用の範囲が大きく制限されると聞いています。このことは、都市計画変更した平成14年にわかっていたはずなのに、今まで何をしてきたのでしょうか。
一方、高齢者や障害者の福祉サービスの拠点である総合福祉センターは、調布駅周辺地区計画が同じく平成14年に都市計画変更されたときに、敷地内に区画道路が拡幅されることになり、こちらも使えなくなることがわかっていたはずです。
どちらの建物も今まで、なぜ議会にも市民にもきちんと説明してこなかったのでしょうか。長友市長のリーダーシップは、どこで何をしていたのでしょう。
<答弁>
◎岩本宏樹 都市整備部長
次に、公共施設棟についてであります。
公共施設棟については、これまで中心市街地における産業振興と経済の活性化に寄与し、地域情報の発信拠点とすることを目的に検討を進めてまいりました。また、そこに導入する機能としては、交番、公衆トイレのほか、観光情報施設等での活用が図れる多目的スペースの配置を検討してきたところです。
このうち交番につきましては、平成24年12月20日に開催をされました中心市街地基盤整備等特別委員会にて御説明をさせていただいたとおりでありますが、治安上の問題や費用負担、工事スケジュールなどの課題があったことから、警視庁側との協議を踏まえ、駅前広場内に別棟で設置をすることとなったものであります。
また、公衆トイレにつきましては、ラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピックの開催を見据え、なるべく早期の機能確保が必要と判断をし、現在、公共施設棟とは切り離し、広場南西側に検討しております地下自転車駐車場の出入り口と併設をする形で機能確保を図りたいと考えているところであります。
また、大屋根につきましては、駅の広場口や公共施設棟と一体となった空間として、雨にぬれずに南北の行き来ができる空間となるほか、雨天時における利活用の可能性を創出すると認識をしております。
このように、当初、公共施設棟の検討時点とは諸条件が変化をしてきていることから、デザイン・コンセプトの概念を生かしながら、新たに導入する機能を含め、そのあり方について検討してまいりたいと考えております。
このほか、御指摘のとおり西側のプレーゾーン、芝生、防災機能、樹木の配置等を含め、今後も引き続き検討が必要であります。市議会並びに広く市民の皆様方と意見交換を重ねながら、方向性を定め、具体化していきたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
<質問>
◆大須賀浩裕
次は、景観についてお伺いします。
江戸時代末期から明治時代に日本を訪れた多くの外国人が、街並みに代表される日本のすぐれた景観に絵を見ているようだと驚嘆したと言われています。しかし、明治維新以降、特に戦後の高度経済成長の歩みにより、経済的には豊かになりましたが、一方で多くの景観が失われてきたのではないでしょうか。
市長は、日本貿易振興会に在職中、フランスやベルギーに赴任した経験がおありです。景観にも格別のお考えをお持ちかと思いますが、景観に対する市長の御見識をお聞かせください。
一方、調布市の景観整備の現実はどうなっているのでしょうか。調布、布田、国領の3駅が地下化され、布田駅と国領駅には新しい駅前広場ができ、布田駅の周辺には土地区画整理事業で新しい建物が建築されました。
その建物を見ると、高さ、形、色彩などのデザインが個性的です。もちろん建築主さんには自由に好きなものを建てる権利はありますが、ばらばらでは残念ながら景観が統一されなくなってしまいます。
布田駅周辺に建物が建設されたのが、市が景観行政団体に移行する前だったので、景観の指導がお願い行政の域を出ずだったものの、市長御自身ができる努力はなかったのでしょうか。
一方、昨年11月の市議会全員協議会で、調布駅前交番のデザインについて、市長にお聞きしました。新生調布の玄関である駅前広場に、最初に建った建物が交番でした。調布駅前広場は調布の顔です。調布の特色を広場内にできる建物にどう反映できるのかは、重大な課題ではないでしょうか。
私は、市長が映画やゲゲゲの鬼太郎など、調布の何らかの特色をデザインに取り入れてほしいと、都や警視庁に要望したけれど実現しなかったと思っていました。全員協議会で質問したとき、市長のお答えは、正直に言って、私自身は、デザインについて特段強い思いはないというものでした。答弁をお聞きして驚きました。調布のさまざまな特色をワンポイントでもいいからデザインに取り入れてもらいたいと要請することは、意味のないことなのでしょうか。
2つの事例を含め、景観行政の責任者として、市長御自身はどう御努力されたきたのかをお伺いします。また、すぐれた景観をつくっていくために必要なことは何とお考えでしょうか。
<答弁>
◎長友貴樹 市長
次に、景観施策についてですが、市では、地域の特性を生かした魅力的な景観形成を推進するため、平成25年6月に調布市景観条例を施行し、景観行政団体に移行するとともに、平成26年4月には景観法に基づく調布市景観計画を施行しています。
景観計画においては、調布、布田、国領の3駅を中心とする、いわゆる中心市街地を駅の景観形成推進地区として位置づけ、景観形成基準を設定し、景観法に基づく届け出を義務づけています。これにより、地区内における一定規模以上の建築物の新築時等に事業者と景観形成に向けた協議を行い、事業者の協力のもと、景観形成の観点からの配慮をいただいています。
一方で、景観法の届け出制度は、一定規模以上の建築行為等を対象とし、緩やかな規制誘導であることから、この届け出制度のほか、地区計画等の都市計画制度、街づくり条例に基づく街づくり協定、景観法に基づく景観協定等も活用しながら取り組んでいます。
調布駅前交番のデザインについては、建物所有者が警視庁であることや、建物用途等の特殊性から、基本的には警視庁の意向によるものとなっています。しかし、市では、当該建物が調布駅前広場に与える景観的な影響もあることから、調布駅前広場としてのデザインとの整合を図るため、建物に曲線を加える要望等を市から警視庁に申し入れた結果、一部の意見に配慮がなされ、現在の形状となったものです。
中心市街地は、多くの市民が関心を持っている地区であり、都市計画上も景観形成上も重要な拠点ですので、市民の皆様が愛着と誇りを持てる魅力ある中心市街地の街づくり、景観形成の推進に取り組んでまいります。
◎江田信久 都市整備部参事
私からは、良好な景観形成に向けての課題についてお答えをいたします。
これまで良好な景観形成が図られた事例としましては、緑ケ丘二丁目地区において、平成28年3月に市内初となる景観協定の認可を行いました。
この景観協定は、地域の良好な景観を保全するため、建物の形態、色彩、緑化のほか、清掃、美化活動に関する事項なども含まれており、景観法に基づき許可することにより、その実効性が担保され、安定的、継続的な運用が図れることになります。
また、旧調布富士見町住宅地区において大きな課題であった団地建てかえに伴い、住民、事業者、市の協働による良好な景観形成が評価され、平成28年度都市景観大賞の大賞である国土交通大臣賞を受賞しました。
このように地域のまちづくりや景観形成を進めていくためには、地域の住民発意と合意形成が極めて重要であり、市民の方々の財産に対する制約、制限について御理解、御協力をいただく必要があります。
一方で、市民がまちづくりや景観形成のルールづくりなどに取り組むために当たっては、関係する法令や制度も多く、なじみにくい現状もあります。そのため市では、多くの市民に景観法などの制度や身近な景観を知っていただくよう努めており、景観計画を補完する色彩や屋外広告物のガイドラインの検討、市民検討会での景観に関する課題、将来像について意見交換、広報紙の発行等を行っています。
また、将来のまちづくり、景観づくりの担い手となる小・中学生を対象とした景観学習にも取り組んでいます。
まちづくりや景観形成につきましても、これまでと同様に景観法や都市計画法、街づくり条例等を活用するとともに、市民や事業者の方々との合意形成を図りながら、良好なまちづくりや景観形成を推進してまいります。
<再質問>
◆大須賀浩裕
1点だけ、市長に再質問させていただきたいと思います。タコ公園の代替公園についてであります。
市長も、メッセージで子どもたちの笑顔と歓声が絶えない公園だった、思いを受け継ぎ一層愛される公園を目指すとされています。
でも、私は、そんな簡単なもんじゃないと思うんですね。市役所西側のあの土地に代替公園を建てる、子どもたちが遊ぶということは、笑顔や歓声があふれるわけですから。今まで全く説明していないわけですよね。あそこは、今、静かな住宅地になっています。どうしたらいいのか。市長が先頭に立って、本気で笑顔と歓声があふれる公園をつくるんだという、そういう先頭に立つ力が周辺住民の方に響くかどうか。それが、きちんとした公園をつくれるかどうかということの一番の鍵だと私は思っています。
また、調布駅南口広場に子どもたちが遊べる公園、笑顔と歓声にあふれる公園を今の広場につくれる、つくるっていうのは、そんな簡単なことじゃないと思っています。いろんなハードルがあるでしょう。
ただし、遊具は置くことはできませんけど、モニュメントは置くことができるんですね。したがって、モニュメントもいろんなタイプがありますから、いろんな工夫をしながら、子どもたちが遊べる、それを駅を通りかかった大人たちが見守っている。そんな駅前広場が調布以外にあるんでしょうか。もしないとしたら、いろんな特色が調布にはありますけど、これこそ最大の調布の特色。今、決してそれを失ってはならない。ぜひとも、私は復活してもらいたいと思いますので、市長の決意のほどをお伺いしたいと思います。
<答弁>
◎長友貴樹 市長
まず、大須賀議員の既存のこれまであった公園に対する思い、大変貴重な御意見をいただいたと。思いは私も同じでございまして、都市計画上、あれが残せなかったことに対する残念さはあります。
それから、簡単に申し上げますが、今度つくっていくところに関して、他の部長からも答弁いたしましたけれども、ぜひ周辺の理解をいただいた上で、子どもたちの声が聞こえる、そういう公園にしていくという思いは全く同じでございますので、最大限の努力をいたします。
それから、プレーゾーンと私どもが申しておる今後のスペースに関しては、でき得る限り、可能な限り、いろんな方の御要望をお聞きしながら、その中身について考えていきたいと、そのように思っております。
<取りまとめ>
◆大須賀浩裕
時間がありませんので、取りまとめたいと思います。
まず、調布の駅前公園についてですけども、本気で私は、日本一の公園になれると思っているんです。だからこそ、市長を先頭に、都市整備部を先頭に頑張っていらっしゃいますよね。でも、そこには、欠かすことのできない要素がある。1つは緑です、花ですよ。そして、子どもたちの笑顔と歓声です。そして、調布駅前広場は、何といっても調布の顔です。
だからこそ、調布の特色、いろんな特色がありますよね。それをいろんな形で駅前広場に具現化してもらいたいと私は思っているんですね。だからこそ、警視庁がつくるから、東京都がつくるから、交番のことは余り知らない。それじゃ、市長、もっとこだわってほしいんですよ。日本一の駅前広場をつくるために、市長の情熱をぶつけてほしいんです。交番をつくるにも、何かワンポイントでもいいから調布の特色をどこかにつけてくれと。言って無駄であっても、私は、そういう努力を市長にしていただきたいんです。その市長の情熱が、日本一の広場を生むきっかけになればいいなと私は考えております。
また、市長の説明責任ですけども、今回も樹木や交番、あるいはグリーンホール、総合福祉センター、公文書、市長の特徴なのか、行政の特徴なのかわかりませんけども、まとめて報告したがるんですよね、まとめて。まず第1報を入れる、第2報、第3報の続報を入れる。今回の公文書にしても、今の段階で市民に全く知らせていないということは、あり得ないと私は思っています。
市長は、当選以来、情報開示、市民参加、とっても大事にされてきました。原点に立ち返って、情報の共有についてももっと本腰を入れて、徹底して取り組んでいただきたいと思います。
以上で私の一般質問を終わります。
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