2020年10月19日
調布市東つつじヶ丘で発生した「道路陥没事故」について
調布市東つつじヶ丘で発生した「道路陥没事故」について、市の議会への報告、マスコミ報道、東京外環トンネル施工等検討委員会、東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)会見を参考にまとめました。
<事故の経緯>
10月17日
夕方 定点観測している地表面観測では、特に変化が無いことを確認(NEXCO東日本)。
10月18日
8:00頃 住民によると、道路に亀裂が発生。
9:30 巡回中に地表面沈下を確認(写真:NEXCO東日本)。
現場は東つつじケ丘2丁目21付近で、京王線つつじヶ丘駅から南東に約400メートルの住宅街(写真:GoogleMap)。
11:50 NEXCO東日本・現場担当者が到着(写真:NEXCO東日本)。
12:15 調布市職員が到着。
現場確認及び周辺住民に状況を確認。
12:15頃 「道路が陥没した」と通行人から110番通報。
12:20 警察官が到着。
市道(東83-5号線)の通行規制を開始。
12:30 NEXCO東日本が地表面の陥没を確認。
陥没でできた穴は、地表部において約5m×約3m、地中部において約6m×約5m、深さは約5mで約140㎥(写真:調布市)。
住民や通行人にけがはありませんでした。
市職員が東京ガス、市下水道課、東京水道、東京電力に連絡し、ライフラインの緊急確認を要請。
陥没現場では、地下47m(大深度地下)で、NEXCO東日本が関越自動車道と東名高速道を結ぶ「東京外郭環状道路」(東京外環道)の練馬―世田谷間の建設工事を行なっていて、直径16メートルの掘削機(シールドマシン)でトンネルを掘削していました(写真:NHK)。
シールドマシンは9月14日に陥没現場の地下を通過していて、現在は131m北側前方で停止しています(下図:NEXCO東日本ホームページ)。
13:30 NEXCO東日本は、トンネルの真上で陥没が発生したことから、因果関係がわからないとしたうえで、念のため周辺の約30世帯の住民に避難を呼びかけました(資料:調布市)。
一時、3世帯がNEXCO東日本が用意した都内ホテル等に避難。
15:00頃 市がライフラインに異常が無いことを確認。
16:40 NEXCO東日本が応急措置として、埋土(砂)の投入を開始(写真:NEXCO東日本)。
17:00 NEXCO東日本が明日以降のシールドトンネル工事の一時中止を指示。
NEXCO東日本が当該箇所の陥没について記者発表。
10月19日
4:25 応急措置としての砂による埋土が完了(写真:NEXCO東日本)。
現在、道路は誘導員配置の上、通行止めとなっています。
16:00 現場を訪ねました。
応急復旧工事が終わっているので、誘導員と報道関係者がいなければ事故現場だと分かりません。
けが人がいなくて何よりでした。
<東京外郭環状道路建設工事について>
東京外郭環状道路は都心から約15kmの圏域を環状に連絡する延長約85kmの道路で、現在までに関越道と連絡する大泉JCTから高谷JCTまでの約49kmが開通しています。
関越道から東名高速までの約16kmについては、平成24年4月から東日本高速道路(株)、中日本高速道路(株)が国土交通省と共同してシールド工法で事業を進めています(図:国土交通省 東京外かく環状道路ホームページ、東京外かく環状道路事業概要パンフレット)
(図:調布市ホームページ)
調布市によると、トンネル工事に伴う振動などで「住宅の外壁の一部がはがれた」「ひび割れた」「振動がひどい」などの苦情が、市や工事事業者に寄せられていました。
現在、今回の陥没事故を受けて、掘削工事は中止されています。
<東京外環トンネル施工等検討委員会について>
NEXCO東日本は15時から学識経験者による「東京外環トンネル施工等検討委員会」を開催しました。
【議 題】
・東名側本線シールド(南行)工事現場付近において発生した陥没事象について
【議事概要】
○東名側本線シールド(南行)工事現場付近において発生した陥没事象について報告があり、シールドトンネル直上において地表部において5m×3m程度、地中部において6m×5m程度、深さは約5m程度と推定される地表面陥没が発生したことを確認した。
○陥没地点を含め、地下に位置するシールドトンネルの坑内状況について報告があり、有害なひび割れや漏水は確認されておらず、健全な状態であることを確認した。
○シールドトンネル自体の損傷は確認されていないことから、陥没のメカニズム究明のために現地調査を速やかに実施し、地盤状況の確認を行うことが必要であることを確認した。
〇今後の調査として、次について実施することを確認した。
・地盤状況確認のためのボーリング調査および音響トモグラフィー調査
・採取した地下水の成分分析
・埋設物の状況確認
・地歴、文献調査の再確認
また、周辺道路を含め、地表面付近の空洞探査を早急に実施することを確認した。
○今後の地表面計測、監視方法について報告があり、24時間の巡回監視や日々の地表面計測を継続するとともに陥没箇所及びその周辺の監視を重点的に行うことを確認した。
また、引き続き、周辺住民からの問合せ等に対し適切に対応することを確認した。
【議事概要(pdf)】
【検討委員会資料(pdf)】
<NEXCO東日本の会見について>
17時過ぎ NEXCO東日本が会見を開きました。
「NEXCO東日本会見 調布市の道路陥没について」(YouTube-TBS NEWS)
トンネルの施工方法の検討会の専門家で早稲田大学の小泉淳委員長は「因果関係があるか、はじめからそこに空洞があったかはこれから調べないといけない。断定するのはまだ早い。ただ因果関係はないとは言えないし急に落ちるとは思えない」と述べました。
また、東日本高速道路 建設事業部の加藤健治部長らは「地下深くのトンネル本体にひび割れや漏水は確認されておらずトンネル本体の破損は確認されていない」と述べ、因果関係はわからないという考えを説明しました。
今後、陥没が起きた場所の地盤の状況を確認する必要があるとして、ボーリング調査などを進め原因を究明することにしていて、原因が究明できるまでは工事を再開しない方針だと明らかにしました。
(参照:「道路陥没 地下深くでトンネル工事 因果関係不明 原因調査へ」NHK NEWS WEB)
国土交通省・NEXCO東日本には、事故現場周辺の住民の皆さんが安心できるよう、一刻も早く事故原因を究明することと、住民に寄り添った対応を求めます。
<事故の経緯>
10月17日
夕方 定点観測している地表面観測では、特に変化が無いことを確認(NEXCO東日本)。
10月18日
8:00頃 住民によると、道路に亀裂が発生。
9:30 巡回中に地表面沈下を確認(写真:NEXCO東日本)。
現場は東つつじケ丘2丁目21付近で、京王線つつじヶ丘駅から南東に約400メートルの住宅街(写真:GoogleMap)。
11:50 NEXCO東日本・現場担当者が到着(写真:NEXCO東日本)。
12:15 調布市職員が到着。
現場確認及び周辺住民に状況を確認。
12:15頃 「道路が陥没した」と通行人から110番通報。
12:20 警察官が到着。
市道(東83-5号線)の通行規制を開始。
12:30 NEXCO東日本が地表面の陥没を確認。
陥没でできた穴は、地表部において約5m×約3m、地中部において約6m×約5m、深さは約5mで約140㎥(写真:調布市)。
住民や通行人にけがはありませんでした。
市職員が東京ガス、市下水道課、東京水道、東京電力に連絡し、ライフラインの緊急確認を要請。
陥没現場では、地下47m(大深度地下)で、NEXCO東日本が関越自動車道と東名高速道を結ぶ「東京外郭環状道路」(東京外環道)の練馬―世田谷間の建設工事を行なっていて、直径16メートルの掘削機(シールドマシン)でトンネルを掘削していました(写真:NHK)。
シールドマシンは9月14日に陥没現場の地下を通過していて、現在は131m北側前方で停止しています(下図:NEXCO東日本ホームページ)。
13:30 NEXCO東日本は、トンネルの真上で陥没が発生したことから、因果関係がわからないとしたうえで、念のため周辺の約30世帯の住民に避難を呼びかけました(資料:調布市)。
一時、3世帯がNEXCO東日本が用意した都内ホテル等に避難。
15:00頃 市がライフラインに異常が無いことを確認。
16:40 NEXCO東日本が応急措置として、埋土(砂)の投入を開始(写真:NEXCO東日本)。
17:00 NEXCO東日本が明日以降のシールドトンネル工事の一時中止を指示。
NEXCO東日本が当該箇所の陥没について記者発表。
10月19日
4:25 応急措置としての砂による埋土が完了(写真:NEXCO東日本)。
現在、道路は誘導員配置の上、通行止めとなっています。
16:00 現場を訪ねました。
応急復旧工事が終わっているので、誘導員と報道関係者がいなければ事故現場だと分かりません。
けが人がいなくて何よりでした。
<東京外郭環状道路建設工事について>
東京外郭環状道路は都心から約15kmの圏域を環状に連絡する延長約85kmの道路で、現在までに関越道と連絡する大泉JCTから高谷JCTまでの約49kmが開通しています。
関越道から東名高速までの約16kmについては、平成24年4月から東日本高速道路(株)、中日本高速道路(株)が国土交通省と共同してシールド工法で事業を進めています(図:国土交通省 東京外かく環状道路ホームページ、東京外かく環状道路事業概要パンフレット)
(図:調布市ホームページ)
調布市によると、トンネル工事に伴う振動などで「住宅の外壁の一部がはがれた」「ひび割れた」「振動がひどい」などの苦情が、市や工事事業者に寄せられていました。
現在、今回の陥没事故を受けて、掘削工事は中止されています。
<東京外環トンネル施工等検討委員会について>
NEXCO東日本は15時から学識経験者による「東京外環トンネル施工等検討委員会」を開催しました。
【議 題】
・東名側本線シールド(南行)工事現場付近において発生した陥没事象について
【議事概要】
○東名側本線シールド(南行)工事現場付近において発生した陥没事象について報告があり、シールドトンネル直上において地表部において5m×3m程度、地中部において6m×5m程度、深さは約5m程度と推定される地表面陥没が発生したことを確認した。
○陥没地点を含め、地下に位置するシールドトンネルの坑内状況について報告があり、有害なひび割れや漏水は確認されておらず、健全な状態であることを確認した。
○シールドトンネル自体の損傷は確認されていないことから、陥没のメカニズム究明のために現地調査を速やかに実施し、地盤状況の確認を行うことが必要であることを確認した。
〇今後の調査として、次について実施することを確認した。
・地盤状況確認のためのボーリング調査および音響トモグラフィー調査
・採取した地下水の成分分析
・埋設物の状況確認
・地歴、文献調査の再確認
また、周辺道路を含め、地表面付近の空洞探査を早急に実施することを確認した。
○今後の地表面計測、監視方法について報告があり、24時間の巡回監視や日々の地表面計測を継続するとともに陥没箇所及びその周辺の監視を重点的に行うことを確認した。
また、引き続き、周辺住民からの問合せ等に対し適切に対応することを確認した。
【議事概要(pdf)】
【検討委員会資料(pdf)】
<NEXCO東日本の会見について>
17時過ぎ NEXCO東日本が会見を開きました。
「NEXCO東日本会見 調布市の道路陥没について」(YouTube-TBS NEWS)
トンネルの施工方法の検討会の専門家で早稲田大学の小泉淳委員長は「因果関係があるか、はじめからそこに空洞があったかはこれから調べないといけない。断定するのはまだ早い。ただ因果関係はないとは言えないし急に落ちるとは思えない」と述べました。
また、東日本高速道路 建設事業部の加藤健治部長らは「地下深くのトンネル本体にひび割れや漏水は確認されておらずトンネル本体の破損は確認されていない」と述べ、因果関係はわからないという考えを説明しました。
今後、陥没が起きた場所の地盤の状況を確認する必要があるとして、ボーリング調査などを進め原因を究明することにしていて、原因が究明できるまでは工事を再開しない方針だと明らかにしました。
(参照:「道路陥没 地下深くでトンネル工事 因果関係不明 原因調査へ」NHK NEWS WEB)
国土交通省・NEXCO東日本には、事故現場周辺の住民の皆さんが安心できるよう、一刻も早く事故原因を究明することと、住民に寄り添った対応を求めます。
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